つらつら
10/2(金)からはじまったスタジオクーカさんの展示が昨日で終わりました。
さすがクーカさん、私もとても楽しませてもらいました。
先週末のさやかさんのライブペイントに続き、先日の土曜日にはケイコさんの「似顔絵かきまる会」
マジェルカスタッフも楽しませてもらっています。
翌日の月曜日にはご両親と妹さんとご一緒に地下のケイコさんの展示を見に改めて来てくださいました。
私が3年前にケイコさんに描いてもらった似顔絵をあげた先日のブログを見てくださったお母様から
「まだ取っておいて下さったんですね!」と言われて「え、えぇ・・・もちろんですよ!」ととっさに
答えましたがお母さんゴメンなさい・・・
あの画像は当時のブログの画像を持ってきたのです・・・
でも描いてもらった絵は本当にとってあります。
他にもいろんな方に書いてもらった私の肖像画(?)が溜まってきたのでそれらを展示しても面白いかも
などと(別に誰も見たかないだろうけど)
最終日の昨日月曜日は「辻太郎招福くまで」の販売にこの方がおいでに。
はっぴに書いてある通り何にでもご利益があるという太郎さんお手製のこのくまで。
店内にいるお客様に片っ端から声かけます。
「スタジオクーカでーっす!」
例外なく皆さんギョッとされるところにたたみかけて。
「あなたの幸せを願って私が作った熊手です(とかなんとか)」
「そのご利益は 恋愛成就、家内安全(とかなんとか)」
「実際にご利益があった方から 無くした小銭が出てきたとか結婚できたとか(とかなんとか)」
たいがいの方は面白い口上を聞いて途中で笑い出して最後まで聞いてくれますが、さすがに中には
「ナニコノヒト・・・」と気味悪がって逃げる方もいて、太郎さんもそんな相手によって口上も
滑らかだったり、明らかにテンション下がってるな~って感じだったり。
そんな様子を観察していると(ご迷惑だったお客様には申し訳ありませんでした)一種の社会実験に
立ち会ってるようにも思え(大袈裟?)実際興味深かったです。
中には不快になるお客様もいるかもな・・・と少し不安もあったのですが「今日はよく売れたよ!」
と太郎さんがとても嬉しそうにしてくれたのには私も嬉しくなったし、結果的には良かったと思えた
のでした。
そしてこの日はこんな太郎さんの他にもキャラが濃い目のメンバーが3人ほど一緒に来ました。
(スタッフMさんお疲れ様でした)
こんな感じで他の日もメンバーさんが何人も一緒に同行してきてくれたりご家族ときてくれたりしたので、
改めて数えてみたらこの展示期間中にマジェルカに来てくれたメンバーさんは総勢で10人も。
さやかさん、ケイコさんの他に今回の4人展のメンバーでもある友里さんはご両親と一緒に。
その作品と同じようにご両親ともどもとても優しい感じのする方でした。
もう一人の勇気さんは作品の陶器人形が「この間売れたんだよ」っていっても携帯ゲームかなんかをいじり
ながら「ふーん」とどこ吹く風(笑)
ふふ、クールです、素敵です。。。
他には、クーカグッズにその作品が結構採用されている水野さん、お話するのは私今回初めてでした。
一見女性が描いたかと思われるような線が細くオシャレチックな作品を描く彼ですが体格の良いメンズです。
「素敵な絵描きますね~」とか「評判いいですよ」とかゆうと体格の良い体をひねり、頭かきむしりながら
「え~!そんなことないよ~」とか、しまいには「あの時はあんまり調子良くなかったんだよね~」とか、
分かりやすいくらいに照れてるのが面白かったりして。
(その後、頼んでもいないのになんか描き始めてたし・・・)
こうやってふだんマジェルカの店先に並ぶ商品を手がけている人たちを知るのはそれを売る私たちにとっては
とても意味があります。
他にも皆さんとても個性的なメンバーで、おかげで楽しかったです。
たくさん来てくれたのはメンバーだけではなくてクーカメンバーのご家族もたくさん来てくれました。
たいていはメンバーさんと一緒に来てくれるのですが、中には本人いなくご家族だけでとかも。
クーカさんがあるのは神奈川県の平塚という地、決してマジェルカのある吉祥寺とは近くはありません。
それにも関わらずスタッフに連れてこられるメンバーだけでなく、ご家族も続々と来てくれる事、それに
加えて、こちらが恐縮するほど皆さんから感謝のお言葉を頂いてしまうのはそんなつもりではない私に
とっては少し意外でしたが嬉しくもありました。
きっとクーカさんの展示やイベントっていつもそうなんでしょうね。
(とはいえ内輪だけでなく外のファンも多くいるのがクーカさんのすごいところですが)
この間に見たり感じたりしたそんなこんなを、搬出が終わり、これからここから帰ったら一体何時になるん
だろうなぁ・・・と心配する私をよそにワーキャーと元気にはしゃぐメンバーと、そんな彼らを連れたスタッフ
Mさんを見送った帰り道につらつらと考えてしまい、思ったのが、スタジオ クーカという場や活動やスタッフが
メンバーやその家族にとって、本当に近いものだからなのだろうなと。
うまくは言えないのですが、他に行き場が限られる障害のあるお子さんを、日中ただ通わせる為の機能だけ
としての場ではない。
メンバーにとって、ここじゃなきゃいけない。
そしてご家族の方はそれを実感したい。
クーカさんはそこでなければ出来ない事をそれぞれのメンバーに対して。
一つはそこなのかな、
本人にとって、そして家族にとって別に他所でも良いのか、そこじゃなければならないのか。
事業所側では、メンバー個々に対して他所でいくらでも置き換えられるような価値を与えられるのか、
それともそこでなければ生み出せない価値を提供出来ているのかという。
なんだかなに言ってるのかわかりにくくなってきましたかね。
なんにせよ今回触れ合ったクーカのメンバーは皆元気があって楽しそうでした。
だからこっちも周りの人も楽しくなります。
クーカさんと一緒にこういった活動をしたのは久しぶりでしたが、やはり楽しいなぁと改めて実感。
楽しい楽しいってしつこいですが、思い起こしてみるとマジェルカを始めた頃は障害のある方々と
関わる際の距離感がいまいちわからず(今も分かっているとはいえませんが)
おかしな事をしているので笑いたいけど笑うのはいけないと思ったり。
思えばクーカさんやそのメンバーとのお付き合いの中でその辺の距離感がつかめた部分は多かったかも。
昔、クーカの施設長さんに上のような距離感の話をしたら「笑っていいんです」って言われたのを
覚えています。
なにせこっちはチョットすましてるのにグイグイ来る。
「ちょっと近い近い」といいながら持って行かれてしまいに笑える。
だから楽しい。
(太郎くまでがまさにそうでしたね)
そんな彼らの描いたアート作品だからなお愛着が持てる。
(水野さんの絵にも愛着が増しました)
障害者アートと呼ばれる世界が本人や家族の思惑や利益(お金じゃないよ)を超えて
「楽しい」を離れて「素晴らしい」ばかりになってしまいませんように。
「グイグイ近寄って来る」んじゃなくて私のような凡人にとって「特別な遠いモノ」になって
しまいませんように。
そういえばスタジオクーカさんの法人はその名も「株式会社愉快」だったのを思いだしました。
さて!マジェルカ地下のギャラリーでの展示のご案内。
10/14(水)~10/19(月)
吉祥寺で個展を開く場所を探している際にウチを見つけて気に入って下さいました。
懐かしい景色。
私好きです。
ミニチュアハウスも展示されるそうです。楽しみ。
お気軽にどうぞ。