リサイクルウッドフレーム
どうも、ご無沙汰しております<(_ _)>
何かとバタついていたり、体調崩したり、気持ちが乗らなかったり、
アレであったりコレであったりでブログの更新が全く滞ってしまい申し訳ございません。。。
その間にもあんなコトがあったりこんなコトがあったり、そんなトコロに行ったりして
皆さんにもお知らせしたい事はたくさんあるのですが、今回は新たに入荷したある製品の紹介を少し詳しくさせて下さいな。
その製品とはタイトルにある「リサイクルウッドフレーム」です。
リサイクルしたウッドで出来たフレームです。
そのまんま、分かりやすいですね。
写真やイラストを飾れるガラス入りと、ガラスの代わりにミラーが入っているモノとがあります。
本体は共通なので入れ替えてお好きな組み合わせでお求め頂けます。
ザンシーちゃん人形と一緒に壁に掛かっているのがそうです。
当たり前の顔をしてピーナッツくんも紛れています。
(こいつはいつもマジェルカの店内どこかに紛れ込んでいます・・・)
ガラスケースの中にも高級そうに収まっています。
さて、これらを作ってくれたのは神奈川県の葉山にある「湘南の凪」さん。
そしてそことマジェルカを繋げて下さったのが平塚の「進和学園」さんの関連会社の「研進」さん。
(以前のブログ記事で経緯やそれぞれの施設さんへの訪問記を見て頂く事もできます。)
きっかけは、作業所製品で木製品を探しても玩具とか実用品ばかりに偏ってしまうところなのですが、ちょっとした木製品のインテリアをマジェルカの商品バリエーションに加えたいという考えから。
ただ、木という素材は製品にした際に加工の雑さや仕上げに粗さがあると途端に安っぽく見え、悪い意味での手作り感満載の物になってしまうという性質が他の素材に比べても強くある素材だと思っています。
(誰もが手に出来て身近に作れるクラフト(工作)にそういう性質は強いと考えています。)
しかしそれは綺麗な新材を使ってきっちりとした形を求められる製品作りを選んだ場合の話。
一方では、同じ木製品でも使い古したシャビーな感じやアンティーク調が好まれる場合もあり、むしろそういうニーズも高まっています。
そしてなにより、障がい者の方や、十分な設備や機材を持っていない場合には、前者を目指すのはハードルが高いけれど、後者の方向であれば粗さや雑ささえを上手く製品の魅力にしてしまう事も出来得るのではという考えから、あえての廃材を使った製品作りを障害者施設で形にしたい。
そしてマジェルカの売り場に加えたいと考えていたのです。
そんな話をちょうどその頃マジェルカにちょくちょく出入りしてくれていた「研進」の川下さんに話したところ「湘南の凪」さんと繋げて下さったのです。
しかし、今回の製品化に辿り着くまでは正直大変でした。
私だけではなくきっと湘南の凪さんも、そして川下さんも・・・
まず、湘南の凪さんは木工作業自体が初めて。
そして私も福祉施設さんとのモノ作りは初めての事。
私の当初の考えでは何かしらの木工作業経験があり、何かしらの機材や設備がある所で実現という考えでした。
それであればこちらのリクエストに対しても出来る事出来ない事を明確にイメージしてもらいながら進めていけるし、こちらが気付かない部分に逆に提案を出してもらう事も可能です。
ところがそうではなかった・・・
普段の活動で木工をしているわけでもないと・・・
困ったな・・・というのが当初の本音です。
まずは自分で試作品を作りました。
CADで細かな仕様書も作りました。
休日を利用して葉山にある施設に何度か足も運びました。
向こうも利用者さんと一緒にマジェルカまで足を運んでくれました。
機材の使い方を教えたり。
廃材を提供してくれる工務店さんの解体現場にも行ったり。
送ってきたくれた試作品の画像や実物を見ながらあーでもないこーでもないと何度も。あれやこれや、私も試行錯誤しながらでしたから「前に言ってた事と違う・・・」なんて言われたりもしながら(>_<)
最初の頃に出来上がってきた物をみて、「やっぱり無理かな・・・」と正直思いました。
商品企画の始めの時点でこれ位の物ならこれ位の価格だろうという設定をしていたのですが、正直出来上がった物を見てその価格ではとても売れる代物には思えなかった・・・
それからは出てくる物に対してダメ出しをしながら、こういう方法がダメならこういう方法でやれないか、ということの繰り返しです。
おそらく向こうもこんなにこちらのリクエストが高いとは思ってなかったのではないかと思います。
「そこまで細かい必要あるの?」と多少ウンザリしてる様子が垣間見える時も実際あった気もします。
確かに妥協しなければならない点や妥協していい所というのは当然にあります。
無理してそこまでやらずとも製品価値に大きく反映しないだろうと思える点にはあっさりと妥協は出来ますが、それ次第で製品価値(この場合はお客さんが幾らなら買ってくれるか、又は、そもそも買ってくれるか)が変わってしまう(と思える)場合には、一体それが出来るのか、出来ないのか、出来るけど・・・、なのかを見極めた上で次にどうするかを考えなけれなりません。
とはいえ
私は作ってくれている利用者さんと直接接している訳ではありません。
スタッフさんは私の出すリクエストを間に立って彼らに伝える上での難しさや苦労が相当あったであろう事は想像できます。
そして、そこまではつきっきりで見なければならなかった感覚だったのが、ある時点から少し私の手を離れても動いてくれている感じがしてきました。
そして出来上がってくるモノも「おっ!」と思えるモノになってきたと感じました。
10点納品してもらうのも思いのほか早くて嬉しく思いました。
納めてもらった製品を見ても満足出来るモノでした。
ただし初めての納品でというカッコつきなので、更に細かな点のアドバイスをする事や店頭でのお客様の反応などをフィードバックする事で更に良い製品にしていく期待はできると思っています。
さて、実際販売してみて一週間、お客様からの反応は良いです。
特にこれまでのストーリーなどアピールはせずに店頭に並べているだけで、皆様たまたま店頭で目にして下さったお客様が買って下さいます。
マジェルカの中に数ある同価格帯の商品の中でも比較的動きは良い方です。
ガラスの代わりに鏡を入れるというのも途中で思いついたのですが、こちらの方が売れ行きも良いです。
しかも、始めのウチはそれでも売れないかも・・・なんて思っていた設定価格よりも実は少しだけ上げさせてもらいました。
その事でマジェルカだけでなく湘南の凪さんへもより多く還元できます。
実物を見て最終的に判断したのですが、それでもお客様の反応は良く、製品に対する価値を認めて頂けていると感じています。
色々大変ではありましたが結果としては今後の展開が楽しみな製品が出来たと感じています。
マジェルカがガッツリと関わった製品ではありますが、決してマジェルカ限定というモノ作りをしたつもりではなく、湘南の凪さんの自主製品として今後展開出来れば嬉しいと思います。
マジェルカの中に色々と並ぶ中の一つの製品に過ぎませんが、今回のフレームの件は
私にとっても作業所さんとのモノづくりの上で勉強になったし、改めて障害のある人たちの働く作業所のポテンシャルは高いんだと実感させてもらえた一件でした。
※編集後記
この商品はその後様々な状況の変遷を経、現在では「湘南の凪」さんではなく埼玉の「すいーつばたけ」さんで制作されたものをマジェルカで扱わせて頂いています。