作業所のモノつくりに思う

「マジェルカ」という障がい者が作る雑貨のセレクトショップを

西荻窪にオープンさせて3箇月。

他にあまり類が無い業態でありながら今のところなにかこれといった媒体などに取り上げられたりしているわけでもないにも関わらず、とても有り難いことに少しづつ知って下さる方が増えてきています。

 

それにつれて実際にモノづくりやその他活動をされている福祉施設や

事業体の方が、それぞれの思いを持って訪ねてきて下さる機会が増えて

きました。

全くそういう方が来られない日が無いといってもいい位に。。。

 

そしてその中で当然に、ご自分達が作っている自主製品を置かないかと

いうご提案や、他にも、作った製品への参考意見が欲しいといったご相談

も増えてきています。

 

知らない相手に対してそういったアクションを起こすのは勇気がいる事です

別に私は捕って食うような顔してませんし、いたって温厚そうな雑貨屋の店主・・・のつもりですが、それでもね。

そういう勇気を裏打ちしているその方の仕事へのモチベーションの高さや利用者さんへの思いには尊敬します。

(そうやってアクション起こす多くが女性であるという点が気になりますが、その件はまた)

 

そう、そこでそれら施設さんのモノづくりに関して、この短い間に

なんとな~く自分の頭の中だけで思っていた点を自分の為にも整理したい必要もあっていくつかここで。

 

先日もとある地域から複数の施設さんが訪ねて来て下さいました。

入ってこられて並んでいる様々な製品を見るにつけて

「これならウチでも出来る」

「これだったら出来そう」・・・

わたしナンカ違和感を感じました・・・

 

何かというと“モノありき”の考え方なんですね。

 

「センミツ」という言葉がありますが、

千に三つ上手くいけば御の字というような意味。

苦労せずたまたま目にしたモノを一つ真似てやろうといって上手くいく

はずがない。

(というお話させて頂いちゃいましたが・・・)

 

では、かといって片っ端から作ってみる?

そりゃあ無理ですね?

 

だったら一つ一つに本気でじっくり取り組みませんか。

 

まず必要なのは”モノありき”のスタートではなくて、いま、自分達が

持っている、又は目を広げて周囲にも存在していて活用できる資源達

(ヒト・モノ・カネ・コト)を片っ端から検証すること。

例えば活用していない木工用機械があるとか、縫製工場で働いていた

熟練さんがいるとか、その地域ならではの○○があるとか。

とかとかとか。

 

そして、「コレとコレがあればアレができるかも!」って感じで、

それらで一体何が出来るかの可能性を探る。

この時点では不必要な謙遜、過小評価はせずに、それら資源を最大限活用して、可能性として出来るかもしれないモノやコトを挙げ、そしてお次にその資源を最大限活用する為の方法を探る。

 

そしてそこから飛んで、何かがアイデアやモノが出来上がって来た時に

「やったね~!」

「おめでと~!」

「いいじゃ~ん!」

もいいですが・・・

(いいんですよ、ホントに。だってそうやって当事者が盛り上がれないモノってねぇ)

徹底的にやるつもりでネガティブチェックを自分達でしっかり行う。

その時の視点は作り手側からだけでなく売る立場や買う立場、色んな立場になって。

そしてその上で外部の意見も参考にするのは必要だと思います。

実は最近、私自身がプロセスに関わる事なく(そういう意味では)ある意味突然投げかけられる機会が多くなっています。

相談を受ける事それ自体は上に述べたように立場の異なる外部者の意見を参考にしようというそのご担当や施設の意識の高さを感じるし、数少ない福祉製品の販売という仕事に携わるモノとしての役割とも感じているので全くやぶさかではないし、むしろ嬉しくもあるのですが、はたしてコレは自分たちのチェックを経たうえのモノなのか否かが気になる場合があります。

こちらはせっかく投げかけられたのだからと、食い扶持を稼いでくれる自分の店の商品と同様に一つ一つ本気で考えているつもりです。モノづくりが一朝一夕に出来るものじゃないと知っているだけにですが、むしろどうやって言葉や文章で伝えようか悩む必要があるだけに、そういった相談には自分の店のモノよりも労力を割いているともいえます。

「別に気軽でいいのに」って声が聞こえてきそうです・・・が

良いモノづくりは一朝一夕には出来ないのですからしっかりじっくりとね、施設のみなさ~ん!

 

12/13(火)はマジェルカお休みですm(__)m

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