おっさん

今日は久々に初めての作業所を訪問してきました。

 

それは横浜の中区、寿町という場所にある「風のバード」さん。

去年から新たにマジェルカとお付き合いが始まった作業所さんです。

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そんなお付き合いの始まりとは別に、今回は横浜市中区の作業所団体さんからセミナー講師としてのご依頼を頂いたので、せっかくそちら方面に赴くこの機会、夜から始まるそのセミナーの前に時間を作ってお邪魔しておみたいということで行って参りました。

 

こちら「風のバード」さん、お名前は以前より耳にしてはおりました。

マジェルカとしては直接関わりはありませんが業界的には有名なのでご存知の方も多いかと思うあのSLOW LABELさんが展開している(していた?)プロダクトに関わっているということで耳にしたことはありました。

しかもお名前が結構インプットされやすかったのでということ覚えてもいた次第。

 

そんな風のバードさん、マジェルカでは“裂き織り”製品でお付きあいを始めさせて頂いたのですが、聞けば、ちょっと多くの他の作業所さんとは趣を異にする所が私の琴線に引っかかった(“引っかかった”という文字をキーボードでスラスラ一発で打てる人を尊敬します)、というのが横浜の寿町ってのは、そこそこ有名な山谷とかと並んで日本三大ドヤ街の一つと言われている場所なんです。

私、少年時代(結構昔)を横浜の根岸ってところで過ごしていたので、根岸森林公園を通って外人墓地を経て元町や中華街、山下公園ってのはチャリで遊びに行っていたエリアなのですが、そんな華やかでハイソサエティなそのすぐ裏にある寿町ってのはデンジャラスゾーンで立ち入っちゃいけないエリアとされていました。

そんなエリアに車で入り込んだら、「ウォーキンギデッド」ばりに人々が車に群がってきて身動きが取れなくなるなんて話もウソかホントか聞いたりしていました。。。。

 

風のバードさんとのお付き合いが始まる中で、お話を聞けば、他の作業所さんに比べ、そんな地域だからこその人々を受け入れる場所として活動を続けているという。

そういうお話を聞いてはいました。

 

実際、ホームレスだった方、ギャンブル依存症やアルコール依存症だったりの人達も多くいるのがここ、風のバード。

 

ちなみにホームレスの人たちというのは、実は障害を持っている割合が高いというのはよく知られていますよね。

 

そして、というか、でもというか、マジェルカ的には彼らの商品を“そんな人たちが頑張って作ってまーす♪”という打ち出し方が出来そうだからという下心云々以前に、それがどうあれ、誰が織ろうと、こちらの人々の生み出す裂き織りの生地(製品とか作品でなく)はこれまで様々を目にしてきた中で比べてみても素直に素敵だと感じたのは事実。

 

そんなステキな生地を、しかもドヤ街で暮らすオッさん達が織ってるっていうのも面白いんじゃないの、と、それって実際どんなオッさんだよっ!

て会いにいきたい見てみたいっ!ということでの今回訪問・・・

 

ドンッ!

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オッさん〜!

その辺で会ったら恐い感じじゃんかー!

なのに織る布が繊細じゃないの〜

色どりが優しいじゃないの〜、女子受けしそうじゃないの〜!

そしてポーズ、別に強制してないし〜(泣)

 

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ジャケットがかっこいいダンディなオッさん!

この後ずっと織りの工程やらを丁寧に丁寧に説明&案内してくれました。

頭の悪いワタシには途中からなんだかよくわかんなくなったりもしたのですが

一つ一つの工程を一生懸命伝えて下さるのを見ていて、この仕事に誇りを持っているという感じは受けましたよね。

 

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そんなダンディな彼の説明する後を神妙な顔してフラフラとついて回っていたかと思うと、気がついたらあっちの方で他の仲間とふざけ合っていたりと、なんか調子いい感じで明るくて楽しい彼、片腕、片目不自由なのに、やっぱりオッさんなのにステキな織地を作るのです。

この写真も実は織ってません、織ってるふりです(笑)

そして、数ある生地のストックの中からこの生地ステキ!というとだいたい彼の織ったものなのでした。。。

 

こんなオッさんだらけの「風のバード」さんに自称可愛い雑貨好きのオッさんであるワタシが訪問してきましたが、こちらの施設長のKさんもオッさん。

 

実は今日お邪魔する前、お電話でアレコレとやり取りあって。。。

むっちゃなんか喧嘩腰、なんか知らないけど明らかにワタシに敵意むき出しで「引くわー」みたいな感じで今日の初めましてだったのです。

ぶっちゃけ行くのちょっと嫌になったりして・・・

(Kさん、ごめんなさい、書いちゃいました・・・) 

 

お会いして最初はどう接しようかなと思っていたけれど、Kさん、利用者さんと接する様子は別人のように楽しく優しそう、こちらも利用者のオッさん達とキャイキャイしてるのをにこやかに見てくれていたり、彼らが織った生地を一つ一つ「コレは誰々さんが織った」と自慢げにその本人の前で広げて見せてくれたり。

また、こちらが感じたいこと、知りたいこと、聞きたいことを訊けば丁寧に色々お話してくれて、きっとそれらはKさんにとっても伝えたいことだったからなのかなと。

 

またゆっくり遊びに来て、是非今度は一緒にみんなとご飯食べてくださいよ。なんて言って最後は送り出してもらえた。 

 

結果的に良いオッさん。

 

お話聞いて、また頂いた資料をその後、山下公園の前のカフェで読ませていただいて、戦い続けてきた人というのがよくわかりました。

 

いわゆるあの時代の活動家ですよね。

 

そういう時代もあったんだなと。

 

でも、時代は変わります。

 

ごめんなさい、私なんかに言われなくてもでしょうが、その昔の闘争そのままで今の時代は受け入れらないのではないかと。

 

それこそ昔から戦い続けて来た方々からしたら、綺麗な上澄みばかりをすくいあげて世の中に発信していると思われるマジェルカかもしれません。

 

確かにマジェルカは、障がい者の存在を素敵な雑貨やお店を通じて世の中に発信していますが、多くの人にとって心地よく受け取りやすいように、部分だけを選り出したりオブラートに包んで渡しています。

 

でも自分でマジェルカをそういうやり方で始め、続けてきながら、最近のそういうオブラートで包んだ、綺麗にお化粧したやり方ばかりが増えているのに、実は若干の違和感をどこかに感じていたりもします。

(今日もマジェルカには、こんなショップやりたい、雑貨作りたいって人が視察っぽく来てました)

当事者であるリアルな障がい者ときちんと繋がってつたわっているのかな、と。

 

私自身がそんな思いを常に抱くので、こういう場でリアルな例えば彼らオッさんの姿を伝えてみたくもなるのです。

ただ素敵な雑貨をネットで見つけて仕入れて並べるだけではマジェルカではダメなんです。

 

マジェルカはマジェルカで違う戦い方をし続けてきたつもりなのです。

 

そして、戦う、というとアッチVSコッチになりがちですが、そうはしたくないやりかたをマジェルカは目指したいと思っています。

 

相当な紆余曲折を経てですが。

 

でも、相対する人たちを考えた時、関わる人にとってやり方は同じではないかもしれないけれど、目指すことは大きく異なっていないから、そこにお互い本気だから、はじめは敵意むき出し(笑)だったけど、なんか最後は受け入れてもらえたのかなかなと。

 

短い滞在時間の訪問でしたが、なんか久々に改めて見つめ直し考えてみることが楽しいと思える機会になったように思ったオッさん達との出会いでした。

 

風のバードの皆様、オッさんオッさんいってすみません。

ワタシもオッさんなので許して下さい・・・

 

そんな「風のバード」に集うオッさん達が織りあげた生地を使った製品はこちら。

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