マジェルカヒストリー

創業から現在までのストーリー
マジェルカヒストリー

創業の背景

マジェルカ創業者の藤本は、障害者が作った個性豊かで魅力的な雑貨に出会い、手仕事品としての価値の高さに目を見張りました。細部までこだわって作られた職人顔負けの雑貨やユニークな製品の数々は、どこにも存在しない素晴らしいモノたちでした。

なぜこんなに素敵なモノが市場に出回っていないのか不思議に思い調べてみると、そこには福祉業界特有の問題がありました。障害者のモノづくりやそれらを販売する活動を、あくまで支援活動としか捉えておらず、彼らによって生み出された製品を、限られた福祉のマーケットでしか販売していなかったのです。
障害者に対するアンコンシャスバイアスがそこには存在していました。

アンコンシャスバイアスとは
人が気づかないうちに持っている先入観や思い込みによる偏見をアンコンシャスバイアスと言います。障害者が作ったものが一般の市場に出回っていない理由の根底には、障害者に対する誤った認識や決めつけがあるのではないかという考えが、マジェルカが生まれた背景にあります。

アンコンシャスバイアスとは
人が気づかないうちに持っている先入観や思い込みによる偏見をアンコンシャスバイアスと言います。障害者が作ったものが一般の市場に出回っていない理由の根底には、障害者に対する誤った認識や決めつけがあるのではないかという考えが、マジェルカが生まれた背景にあります。

そこでマジェルカは、当時では前例のなかった完全な民間運営による一般市場へ向けた専門店としての販売に踏み切りました。「世の中にまだ全然知られていない価値を多くの人に届けたい」「この感動や驚きをたくさんの人と共有したい」そんな想いから店の名前を「混ぜる」をもじって「マジェルカ」と命名し、障害のある人無い人があたりまえのように混ざりあう社会を思い描き、事業をスタートさせました。

2011年 西荻窪でマジェルカをスタート

2011年、一人でも多くの人に障害者が作った製品の素晴らしさを伝え、障害者や障害者福祉のことを身近に感じてもらいたいという思いから、個性的なアンティークショップや雑貨店、カフェが集まる西荻窪に「雑貨店マジェルカ」をオープンしました。

店づくりの際に最もこだわったのは、障害者や福祉に興味がある一部の人を対象にするのではなく、素敵な雑貨を探しているすべての人に興味をもってもらえる店にすること。商品の並べ方やラッピング、接客など細かいところまでこだわり、商品を魅力的に見せるための様々な工夫をしました。

店づくりの際に最もこだわったのは、障害者や福祉に興味がある一部の人を対象にするのではなく、素敵な雑貨を探しているすべての人に興味をもってもらえる店にすること。商品の並べ方やラッピング、接客など細かいところまでこだわり、商品を魅力的に見せるための様々な工夫をしました。

立ち上げ当初は「こんな事業をやっていいのだろうか」「福祉関係者から何か言われるのでは」といった不安もありました。なぜなら、障害者施設で作られた製品が広く一般の市場で販売されることはこれまで殆どなく、そこには何か業界のルールやタブーがあるのではないかと思っていたからです。また、障害者が作る製品は一般の方々から受け入れられないのでは、とも考えていました。

でも、製品を作っている作業所の多くは「もっと売りたいがどうしたら良いか分からなかった」「売ってくれる場所を求めていた」というのが実情でした。また、店を訪れた方からは「西荻窪にこんなお店が出来て良かった」「素敵な買い物ができてそれが誰かのためになるなんて得した気分です」と嬉しい言葉をかけていただきました。

でも、製品を作っている作業所の多くは「もっと売りたいがどうしたら良いか分からなかった」「売ってくれる場所を求めていた」というのが実情でした。また、店を訪れた方からは「西荻窪にこんなお店が出来て良かった」「素敵な買い物ができてそれが誰かのためになるなんて得した気分です」と嬉しい言葉をかけていただきました。

2012年からはオンラインショップも開設し、売上が徐々に伸びていき、リピートしてくれる方も増えていきました。

2014年 吉祥寺でリニューアルオープン

マジェルカで販売している商品は、提携している全国の福祉作業所で作られています。提携先は、一件一件地道に足を運んで開拓しました。当時は、福祉業界の人たちにとってほとんど前例のないことだったので、商取引のルールや仕組みを理解してもらうのにとても苦労しましたが、説明を重ねて活動に共感いただき、お陰様でマジェルカに商品を置きたいという作業所は順調に増えていきました。

全国から素晴らしい製品がどんどん届くようになり、有難いことに、西荻窪の店では商品を紹介しきれないという状態になりました。販売のほうも思っていた以上の反響があり、順調にお客様の数が増えていきました。

マジェルカでは、障害者が作った製品を市場価値できちんと評価し、適正価格で販売しています。障害者を単なる支援の対象ではなく、対等なパートナーと捉え、売上の半分以上を福祉作業所へ還元しています。

西荻窪では、この活動に手応えを感じることができました。マジェルカの活動が市場に受け入れられたことで、もっとたくさんの人にこの活動を知ってもらい、そのための場所を成長させたいという気持ちが強くなりました。


こうした理由から、2014年にマジェルカは店舗を西荻窪から吉祥寺に移転することになります。

吉祥寺は来街者が西荻窪に比べて圧倒的に多く、若い人や外国人の方も多いため、マジェルカにとってまた新しいチャレンジとなりました。

2016年 株式会社マジェルカを設立

2016年に、吉祥寺での活動が軌道にのってきたため、より活動の範囲を広げるために株式会社へと法人化しました。

吉祥寺に出店してからは、大きな反響や変化が3つありました。

1.障害者とつながれる場所

一つ目は、たくさんのお客様がマジェルカを訪れるようになり、雑貨製品を通して気軽に障害者とつながれる場所を実現できたことです。商品を買った後に障害者が作ったものだと知って「より大切にしたいと思います」と声をかけてくださったり、「良い買い物をした」と喜んでくださったりする姿を見て、マジェルカが目指している世界に少しでも近づいていることを実感できたのはとても嬉しいことでした。

2.セミナー・ワークショップ

二つ目は、福祉施設や支援団体から声がかかる事が多くなり、販売以外の取り組みとして、製品づくりや販売活動を行っている福祉事業所へ向けたセミナーやワークショップを行うようになったことです。福祉業界内でも知られるようになるにつれて、マジェルカが実現したい社会について話したり、障害者福祉やウェルフェアトレード(福祉のフェアトレード)について啓蒙したりする機会をいただけるようになりました。

3.福祉作業所への好影響

三つ目は、マジェルカの活動が福祉作業所やそこで製品を作っている障害者のモチベーションや自信につながっているということです。吉祥寺という知名度の高いエリアで、地方にいる自分たちの製品が販売され、手に取った人に喜ばれているという事実が彼らに与えた影響は大きいものでした。自分の商品がSNSで紹介されるのをチェックしている作り手さんも少なくなく、ウェルフェアトレードの意義の大きさを、改めて実感しました。

このころメディアに取り上げられることも増え、知名度が上がってきていることを肌で感じた私たちは、従来のショップとは一線を画す存在として、より精力的にウェルフェアトレードの和を広げていく決意を新たにします。障害者雇用も行い、マジェルカの活動が本格化していきます。

-その他の活動

インバウンド需要
吉祥寺では海外からのインバウンドも多く、台湾や韓国、中国を中心に色んな国の方がマジェルカを訪れました。メイドインジャパンの個性的な手仕事品に興味津々といった様子で、マジェルカの取り組みをグローバルに発信する良い機会になりました。

ポップアップストア
高島屋、阪急、東急、LOFT、東急ハンズ、東京都美術館のミュージアムショップ、三省堂書店、蔦屋書店などでポップアップストアを出店することができ、様々な場所でマジェルカの活動を知っていただく機会につながりました。

2020年 一般社団法人マジェルカを設立

2020年、これまでとは違ったアプローチで活動を推進するため、一般社団法人マジェルカを設立しました。10年近く活動を続けた中で、ウェルフェアトレードを世の中に広げていくには、社会へ向けた発信以上に、福祉の側の意識改革が重要だと悟ったからです。

一般社団法人としては、一般の方が福祉事業所を見学できるスタディツアーや福祉施設へのセミナー・ワークショップの開催、企業とのコラボレーションによるイベントの実現などを行いました。また、日本財団やWAM、ヤマト福祉財団の助成を受けて、研修や講演活動などにも積極的に取り組みました。

一般社団法人としては、一般の方が福祉事業所を見学できるスタディツアーや福祉施設へのセミナー・ワークショップの開催、企業とのコラボレーションによるイベントの実現などを行いました。また、日本財団やWAM、ヤマト福祉財団の助成を受けて、研修や講演活動などにも積極的に取り組みました。

新型コロナウイルスの感染拡大

吉祥寺での活動が本格化し、次の展開を考えていた矢先のことでした。
新型コロナウイルスの感染拡大により、吉祥寺の街が一変してしまいました。

それまでにぎわっていた吉祥寺の通りから人が全くいなくなり、マジェルカの売上は激減。店舗を一時閉鎖したり、
オンラインでのリモート接客の仕組みを取り入れたり、なんとか店を存続させるために様々なことを検討・実施しましたが、
店舗を持った小売店にとって、コロナの影響はあまりに大きく、マジェルカは先の見えない状況に陥ってしまいました。

仕入費用や人件費、なにより、場所を持つことの意味にこだわり続けてきたマジェルカにとっては
吉祥寺の高い賃料が重くのしかかり、コロナ禍が長期化するにつれて事業の運営資金はどんどん無くなっていきました。

クラウドファンディングを実施

このままでは10年かけて続けてきたマジェルカの灯が消えてしまう…。そう危機感を募らせた私たちは、2021年10月、藁にも縋る思いでクラウドファンディングの仕組みを使って事業資金の支援を募ることに決めました。

世の中に持続可能なウェルフェアトレードの仕組みをつくるために、敢えて公の補助金に頼らず店舗収益という自分たちの営業努力だけで店を運営する形にこだわってきたマジェルカでしたが、限界を感じていました。

クラウドファンディングの結果は、驚くものでした。

2021年10月に募集を開始してからわずか1ヶ月で目標を大きく達成。500万円の支援を募ったところ、約620万円の支援金が集まりました。支援者の数は、合計612人にものぼります。運営事務局の方からは、たった1ヶ月でここまで大きな金額を集めた例は、他になかなか見ないと言っていただきました。
クラウドファンディングのページ>

本当に多くの方々にご支援いただいたお陰で、マジェルカは息を吹き返すことができました。
この時のご支援のお陰で今もマジェルカはあり続けられています。

2022年 マジェルカの閉店を覚悟

クラウドファンディングによって店を存続させることができたマジェルカでしたが、コロナウィルスの影響力が弱まっても、吉祥寺に人はなかなか戻ってきませんでした。2022年になっても、店の前にある通りの人の数多くても以前の7割ほど。それに加えて人々の消費行動は大きく変化し、マジェルカに並んでいるような趣味品を人々が買わなくなっているのを実感しました。

コロナ禍の反動による消費を少なからず期待していたものの、状況は思うように改善しませんでした。もともと大きく利益を出す構造にはなっていないため、やはり店を続けるのは難しいのではないかという思いがどんどん募っていきます。

コロナ禍の反動による消費を少なからず期待していたものの、状況は思うように改善しませんでした。もともと大きく利益を出す構造にはなっていないため、やはり店を続けるのは難しいのではないかという思いがどんどん募っていきます。

吉祥寺で店を運営する以外の方法も模索しました。「オンラインショップだけ続けてはどうか」「応援してくださっている他のお店と合同で運営する形にしては」「いっそのこと地方でやり直してみるのもいいかもしれない」など、考えうる様々な選択肢を検討しましたが、どれも長く続けられる将来をイメージできませんでした。

効果的な打ち手を見出せないまま時間だけが過ぎていき、2022年5月、マジェルカはついに店の継続を断念し、借りていた店舗の解約届けを提出しました。

マジェルカを惜しむたくさんの声

マジェルカが閉店すると聞いて、たくさんの方から惜しむ声をいただきました。

マジェルカの取り組みを心の支えにしてくださっている障害者を家族にもつ方や、マジェルカの商品をいつも楽しみにお店に頻繁に通ってくれている方、マジェルカの活動を支え、応援してくださっている福祉作業所の方々…。やめないで欲しいという声のあまりの多さに私たちは胸を締め付けられる思いでした。

しかし、店を運営できるだけの十分な利益を出せず、少ないスタッフとボランティアさんの協力で何とかもたせていたマジェルカの事業モデルは、既に限界を迎えていました。続けたいという気持ちだけでは運営できない現状に、閉店の道を泣く泣く選ぶしかありませんでした。

2023年 店舗を地下に移して再スタート

そんなマジェルカに転機が訪れたのは、閉店に向けた準備やセールを行っていた矢先のことです。店舗の大家さんから「店を地下に移して、1階をレンタルスペースとして貸し出してもいい」という許可を頂くことが出来たのです。実はこの案は、過去にマジェルカから大家さんに打診して、一度断られたものでした。

それまで地下をレンタルスペースにして1階をマジェルカの店舗にしていたのですが、表の通りからより目立つ1階をレンタルスペースにすることで、収益力を高められるのではないかという考えがありました。1階をレンタルスペースとして貸し出せるなら、そこで得た収益をマジェルカの運営にまわすことができます。

この大家さんからの提案は、まさに突然差し込んだ一筋の希望の光でした。

マンスリーサポーター制度

ただ、一度は閉店を覚悟するところまで追い込まれたマジェルカを軌道にのせるのは、簡単なことではありません。コロナ禍の影響は残っていますし、公の資金に頼らず自助努力だけで運営を続けるのは難しいという事実は変わっていません。レンタルスペースだけをあてにしていては、またすぐに苦しくなり、今度こそマジェルカの活動は終わってしまうでしょう。

そこでマジェルカは、自分たちだけで何とかするという考えを改め、活動に共感してくださる方にマジェルカの将来の一端を担っていただくことを考えました。それがマンスリーサポーター制度です。

マンスリーサポーター制度
マンスリーサポーター制度は、月々のサブスク決済で1,000円からマジェルカを支援できる仕組みです。マジェルカの活動に共感してくださる方からの寄付を募り、集まったお金をマジェルカの運営資金に使います。 マンスリーサポーターについて>

市民活動としてのマジェルカへ

マジェルカはこれまで2度、存続の危機にさらされていますが、そのたびにマジェルカの活動を支持してくださる方々に助けられてきました。この経験を通じて私たちは、マジェルカがもはや独自活動の枠におさまらなくなってきていることを実感しています。

マジェルカが目指す「障害のある人無い人があたりまえのように混ざりあうインクルーシブな社会の実現」は道半ばです。ウェルフェアトレードも、芽は出てきていますが、しっかりと根付くまでにはまだまだ時間がかかります。

でも、マジェルカの活動に共感し、支援してくださる方がこんなにもたくさんいます。

これからの展望

マジェルカが今、目指しているのは、これまでマジェルカが実践してきたウェルフェアトレードを、共に実践し広めてくれる仲間を各地に増やし、ウェルフェアトレードネットワークを各地に広めること。

それによって、障害者施設でモノづくりに携わる、一人でも多く障害ある人の生きがいを高め、一方で、世の中の一人でも多くの人たちが障害者と普通に関わりあう事ができる社会にしたいと考えています。

また、そうした社会を実現するためにも、この活動に共感してくださる方を増やし、より多くの方と力を合わせていく事で、これまで以上にウェルフェアトレードを広める発信を強めていきたいと考えています。

あなたも
ウェルフェアトレードの輪
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マジェルカは世の中にウェルフェアトレードを広めるための活動や発信をしています。
ぜひ皆様も私たちと一緒に、社会に新たな価値を生むウェルフェアトレードの輪を広めていきませんか?

マジェルカで商品を購入する

マジェルカで商品を購入していただくと、その売上の半分以上が作り手の方に還元されます。また、継続的に商品を注文すること、作り手の方の働きがいと技術力の向上にもつながります。是非大切なかたへのギフトや自分へのご褒美をお探しの際には、マジェルカの商品をご検討ください!

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マンスリーサポーターとは、月1000円からの継続的なご寄付で、マジェルカの活動を支える仕組みです。サポーターの皆様にはマジェルカ製品のご購入が10%引きになる他、定期的に開催しているスタッフとの懇話会に無料でご参加いただけます。私たちの仲間として、ウェルフェアトレードの輪を広げていきませんか?

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