日本理化学工業(後編)

「続きは次回」と言った以上書かねばなりませんね。

前回の続きで日本理化学工業さんにお邪魔した内容です。
今日は大山会長のお話の続きから。
あるきっかけが現会長含めたくさんの方々の真摯な温かさによって大きく膨らみ
いまの障がい者の多数雇用という形に繋がっていきました。
でも、いったい従業員の7割も障がい者を雇用しながらどうやって経営を成り立たせて
いるのか、そこは皆さんも気になりますよね。
ここ川崎工場は当時の政府による障がい者の多数雇用モデル工場の融資制度という
モノを利用して作られたそうです。
しかしそれもしっかり利子もつけて返済し終わっているので多少胸をはれる、と。
イヤイヤ多少じゃなくて思いっきり胸張って下さい。
でもそこは福祉施設ではなくて企業です。助成金などで成り立っている訳ではなく、
企業として収益をあげる事によって従業員を養い企業を存続させなければなりません。
その為には障がいのある彼らを役に立つ労働力に仕立てなければなりません。
当然賃金も支払う訳ですからね。
その為には生産効率や品質管理などの面で相当苦労を重ねたそうです。
例えばある時、字が読めず数字が理解できない彼らが信号をきちんと守って渡ってくる
事に気づきます。
それによって色による判別は出来ると気づき、作業工程の中に色によって判断する方法を
取り入れます。
(赤い缶の材料は赤いおもりの量だけ計ります)
自分の理解力で判る事であれば彼らはむしろ集中し一生懸命やってくれるそうです。
4つの幸せの一つである“役に立っている”という事を感じるからなのでしょうか。
こうして生産能率と品質の維持をしているという事です。
ここで面白い話が、
外人の記者さんが来られた際に、これらの話を聞き、工場を見学し、「日本には親方が
現場で直に弟子を見るといった“職人文化”があるから可能なのだろうが、欧米の
“マニュアル文化”ではそうはいかない」と言われたそうです。
まさにその通りかもしれません。しかし日本もなんでもかんでもマニュアル化が
浸透し、職人文化が残っている部分はどんどん減っています。
マニュアルってのは極端な言い方をすれば、誰がやっても、又、誰に対しても一辺倒
なのが是とされるようなところがある。結果、一辺倒じゃないモノには対応出来ない、
返せば一辺倒ではないモノは受け入れないという事に繋がる。
以前にどこかで書きましたが、許容範囲が狭い社会になってきているという事に
通じます。
様々な事柄それぞれについてもっと自分で考えなければいけません。
そしてもっと色々な事を想像しなければいけませんね。
そういえば大山会長、「共感脳」という言葉を随所でお使いになり、その大切さを
説いていらっしゃいました。
まさに想像し、相手の事を始め様々な事に共感するという事でしょうか。
私も興味を持って、さっそく「共感する脳」っていう本を読み始めてみましたよ。
さてお伝えしたい事はまだまだありますが、そろそろ工場の方へ行きましょう。
皆さん我々が入って行っても乱される事なく働いております。
黄色いチョークの原料を練っております。
材料を入れて~
にょろにょろっと出てきて~
長さを揃えて~
フォークで食べて~
・・・じゃないっ!不良品をはじいて~
ニッコリ笑って~
この方サービス精神旺盛すぎて、カメラにむかってポーズ取りまくってくれるんです(笑)
この後は仕上げの工程を経て検品、梱包作業と続くのですが、正直黙っているから障がい
があるとは殆どわからない。
でもそんなもんです。
以前、とある施設さんにお邪魔した際にメンバー(利用者)さんかと思って接したら
実は職員さんだったってのもありますし(苦笑)
私だって・・・
一通り見学終って再び会議室へ。
壁には従業員さん皆さんの目標が貼られています。
会長さん、「是非みてやって下さい。」だって。
なんだかホントにさりげない一言一言が暖かく、従業員さんをわが子の様に思っている
のが感じられてこちらまで優しい気持ちになれるのです。
どれどれ
小泉さん、頑張って!
すごい、しかも副班長さんではないですかっ!
こちらでは障がいのある方々の中でリーダーや班長という責任ある役割を与えています。
誇らしげですね。
窓ガラスにはキットパスで描いた絵が。
チョーク持った会長さんがいらっしゃいます。
最後に参加者からの質問に応じる時間をとって下さりました。
「素晴らしい社員さんを育てるには?」とか
「工場のあの場所にあった傾斜はなに?」とか色々な質問が出る中、
アタシは最初からずっと気になってうずうずしていた質問をしました!
「あの~、そこにいっぱいいるダルマさん達はなんですか?」
まるで頭の弱い小学生です・・・
でも気になったんです・・・
だって
とか
そして
会長が話す後ろにこんなに沢山のダルマさんが!
みんな絶対気になっていたに決まってるんだ!
そしてその答えは一言でいってしまうと
「趣味」だそう。
でも、このダルマさんが例の4つの幸せを教えてくれた禅寺のお坊さんと繋いでくれた
気がするなんて、私の阿呆な質問をスマートに締めて下さる優しさにノックアウト。
沢山他にもお話はあったのですが、最後にこれだけは。
何か出来ない事や問題があった時でも、会長はじめ監督する立場の社員さん達は
障がいのある社員さんの能力が低いという事のせいにして諦めたりする事は
絶対にしないそう。
出来ないのは彼らに問題があるのではなく、問題無く作業出来るように内容や環境の
改善をしない側だと考え、そこに力を注ぐという事でした。
少し興奮しながら多摩川の土手を歩いた帰り道でした。
さて、ここでマジェルカのご案内。
来週水曜日からの企画展示です。
以前もご紹介した八王子生活館さんの手織り製品の展示です。
マジェルカには手織り製品は現在殆ど取扱いは無いので、いつもとは違った
店内になることでしょう。
これからの季節に活躍しそうなストールや、私が気に入っているのは小さな敷物、
マット類もお目見え。
そして、八王子生活館さんの隠れた人気製品「ザンシーちゃん」
他にも何人のザンシーちゃんが来るのかまだ未定ですが、この機に私の秘蔵の
ザンシーちゃんも放出する事にしました!
ミナサンワタシニアイニキテネ

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