阿山くんの世界

店が休みだった昨日、以前ご案内したNPOムイットボンさん主催で私も講師として関わらせて

もらう連続セミナーの打ち合わせに八王子に行って来ました。
セミナーの参加団体さんとの打ち合わせが終わり、近くにある福祉作業所の「木馬工房さん」へ足をのばしました。
「木馬工房」さん、以前から知ってはいて、少々関心は持っていたのですがマジェルカでの
お付き合いはありませんでした。
しかし、最近元々作業所に併設していたショップをリニューアルしてギャラリーも開設したと
いうこともあり、また、自主製品として作っているとんぼ玉には興味を持っていました。
近くに来たついでということ、加えてちょうどそのギャラリーではなんだか面白そうな展示を
しているという事で、雨の中でしたが足を延ばしてみる事に。
着きました。
なんだかイイ感じです。
そしてただいま開催中の展示はコレ!
阿山くんの世界?”!
?ってことは?もあったんでしょうねぇ。。。
WORLDがWAORLDになっちゃってますがそんな事どうだってイイじゃないですかっ!
さっそく入るとちょうど施設長もいらっしゃったのでご挨拶。
ちなみに木馬工房さんもセミナーに参加して下さいます。
そして阿山くん。
ここ木馬工房の利用者さんです。
ナントいうことでしょう!
木の板に色鉛筆で描いています(@_@;)
とっても元気で見た目の通りになんかパワフルなお方。
作家というよりも職人って感じです。
「サケチャヅケ~ッ!!」って叫びながら描いてました。
思いついた無意味な言葉を叫びたくなる気持ち、私もとっても良くわかります。
でもね、許される環境にいないので我慢してるだけなんですワタシ・・・
さて、展示されている作品というと
畳一畳分くらいあって迫力です!
線は焼きペンを使って描いています。
焼きペンってのはバーニングペンともいわれますがその名の通り熱で焦がして木に線を描く
道具ですが、私も使った事ありますが焦がし加減が結構難しいんですよ。
こんな素敵な作品も。
これは一体なんて叫びながら描いたんでしょうか、それも気になります。
私本気で欲しいんですが・・・
他にも色々素敵な作品が展示されています。
ギャラリー横はショップになっていて奥の作業場で作られている自主製品を販売しています。
こちらでは木工と
こんなトンボ玉の他にもステンドグラスやフュージングまで様々なガラス製品を作っています。
ふと見るとギャラリー以外にもそこかしこに阿山君の世界が。
こんなスノコが風呂場に敷いてあったらカッコよすぎです。
敷きませんけど。
突然の訪問にも関わらず作業場も見学させて下さいました。
工房の入り口にも素敵な装飾。
中に入るとすぐにあったのはトンボ玉を作る工房。
アレ!?
阿山くん!?
(別に頼んでないけど)わざわざ実演してくれる様子。
ただ絵を描くのに飽きただけって話もありますが・・・
とはいえ
そうなんです、阿山くんはマルチな男なんです。
バーナーワーク用に保護用メガネをかけた怪しげな姿でむっちゃニヤついて話しかけている
先にいるのは同行したムイットボンの蜂屋さん。
阿山くんはマルチな男であると同時にどうやら女の子が好きな男でもあるようです・・・
でも作業に向かう様子はひたむきで、寡黙・・・ではありませんでした別に・・・
デカい体で作る可愛いとんぼ玉、なんか笑えます。
ひとつひとつ楽しげな様子で作り出されるトンボ玉や先ほどの作品たち・・・
素敵ですね。
さぁ、出来上がるまで付き合いきれないので次に行くとしましょう。
この奥では大きなテーブルを囲んで楽しげに他のガラス製品を作るギャルズたちがいました。
そしてさらに奥に進むと木工室。
「危険な仕事は女達にゃさせらんねぇ、俺たちの役回りさっ!」
と言ったか言わないか(っていうか全く言ってませんが・・・)
こちらはメンズ中心の作業場。
「木馬工房」さん、ポテンシャル高し!!
さて、話は最初に戻ってセミナーの打ち合わせの時のお話です。
今回、セミナーに参加するにあたってどういう成果を得たいか、何を期待するかという
質問に対して出た一つが
「例えば良くあるのは・・・」
という事で
「会員事業所の中には(例えばマジェルカのような)一般の販路に取引相手の利益を差し
引いた価格で製品を卸す、という事に抵抗を感じる方。差し引いて売ったんでは儲けになら
ないから自分達の手だけで売った方がイイという考えに固執する事業所もあるんです。」
と言ったお話。
その方法で売る数も延ばせれば問題はないのですが、そうはいってない場合が殆ど。
そんな話にはもう全く驚かないのですが、つくづくどこも同じなんだなという実感。
何故ならマジェルカで今お取引している施設さんたちの多くが外部の民間事業者との
商品の取引ということ自体が初めてというところばかりでした。
だから、上のようなお話はざらにあり、まずは取引開始するにあたっては、そこの意味の説明
と、それに対する理解を得る事から始めたようなモンでしたから。
それこそ一件一件・・・
今でこそマジェルカが一応見える形になり、他施設との先行事例が出来たので新たな施設と
取引を始めるにあたっても、開店当初よりは話も伝わりやすく理解も得られやすくなりましたが
始めはまぁまぁ大変でした。
なにせ向こうの施設さんにとってはどこの馬の骨か判らない相手、特に地方の施設さんにとっては
「東京のモンが一体どこでがウチの事を知ったの!?」って事で随分怪しまれたモンです。
(というのは後ほどいくつかの施設さんから告白されました(笑))
ここでそんな苦労話をしてもしようがありません。
でも、そこで言いたいというか言いましたが、マジェルカでは今まで現実のやり取りの中で、
相手に対し販路を広げるという意味と方法を説明し、一旦は頭で理解をしてもらい、その上で
実際にマジェルカという販路でトライをしてもらった結果で実感をしてもらえるというパターンの実例を幾つももっているのでちょっと生意気ですがそんなお話はまかせておきなさい!というコト。
しかし一つ加えたいのは今のマジェルカ程度の販路で満足はしてほしくはありません。
(そもそも私が満足してませんから)
前回の記事でも書きましたが、結局福祉施設の現場の方々が抱える悩みや問題ってのはとても
根本的な事であり、これまで関わってきた専門外となると基本的な部分で理解が出来ていない
事が多いのですね。
それに対しては必ずしも彼ら職員が責められるべきではないし、知らない事で卑屈になる必要
もないと思っています。
むしろこれまでは改善の為に様々なスキルや知識が必要だとしても、彼らにとって本当に必要
なモノがなんなのかという点よりも、与える立場にいる側が与えるべき、又は与える事が出来
るスキルや知識の方が優先されて、極端にいえば一方的に与えて実は現場では消化不良を起こ
しているというケースも実は多かったのではないでしょうか。
彼ら現場のスタッフにとって何が必要かという事と同時に、彼らが何を必要としているか。
障害者の支援をするスタッフの支援をする立場となる人間は常にそこを考えなければならない
と最近は思っています。
さて、今回NPOムイットボンさんが主催のセミナーは定員になったので一旦は受付終了と
なりましたが、別のセミナーでも講師として関わらせて頂く事となりました。
株式会社テミルさんが主催のこちらのセミナーになります。
ご興味ある方は是非!
目次