余計なお世話
前にもここで紹介した「福祉施設発!こんなに可愛い雑貨本」って本があります。
本ってのはすごいです。
本てのがすごいのか? いや、この本がすごいんでしょう!
3ヶ月ほどでもう早(!?)第三刷決定だそうです。
色んなところからの注目度も高いようです。
マジェルカって店を作って1年半、メディアなんて殆ど取り上げられる事も無かったけど
やっぱり本っていう媒体の発信力は大きいのですね。
それはさておきマジェルカにも「この本見ましたっ!」って方がちょくちょく来られます。
そう、マジェルカもこの本で紹介してもらっています。
ただし皆さんお客さんとして来て下さる訳では無く、お客さんの他に多いのが
「私もこんな店やりたかった」または「この本で知って私もやりたいと思って」
という方々。
本が出る前からも何かでうちの事を知ってくださり「こんな店私もやりたかったんです」
って来られる方はチラホラとはいらっしゃいました。
「障害者の作ったモノを売る店、そんな店がたくさん増える事はいい事だなぁ・・・ウフフ♡」
なんて思った方がイイんだろうな、と考えつつも実のところ本心はちょっと複雑だったり
します。
なんでかって?
だってウチより素敵な店がどんどん現れたらちょっとくやしいじゃないですか。
そんな小物なんですよワタシは・・・
しかも暗に自分の店が素敵だと言ってるようですが、そりゃそうですよ。
私に限らず、扱っているモノに何かしら思い入れを持ってやっているお店のオーナーさんは
自分のお店の事が好きだし、少なからず自分の店の事を素敵だと思っています。
まぁ、くやしいってのは半分冗談で(って事は半分本気で)
一つには大変なのが目に見えているから・・・
言い換えると楽じゃないからって事で。
マジェルカが出来た当初、こんな店は日本でここだけって色んな方に言われ、とても不思議な
気持ちでした。
(ここだけっていう意味はどこのヒモ付きでもなく民間としてという意味)
そう、「なんで?」って感じました。
自分自身、他でこんな店見た事ないよなぁと思いながら始めたのですが、始めてみてからも
色々と知るにつれて、福祉施設で作る素敵なモノがどんどん出てくる。
だから「なんで誰もやらない(やらなかった)のだろう?」と。
また、福祉業界では“工賃向上”だとか“売れるモノづくり”ってのが重要課題になっていて、
お金も人もそれに対してつぎ込まれているらしいぞと。
なのに「なんでここの部分は誰もやらないの?」と。
でも!
実際に始めてみてわかったんです。
大変だからみんなやらないんだって事を。
別に「大変なのにやってるんだぜぃ」って事をアピールしたい訳ではないんです。
いや、少しはそこアピールしたいのか!?
おい!そうなのか?
いいや、そうじゃない(>_<)
ホントか????
えぇ~と
まぁ、大変なら辞めりゃぁいいワケだし、大変なのは自分に事業として廻していく能力が
無いって言ってるようなモンなんであまり大変ぶらないようにしていたんだけどまぁこの際
ってことで。
言って見れば大変だってこと知らずに頭悪いから始めちゃったようなモンです。
別に「障害者の為に!」とか「福祉業界に旋風を巻き起こすぜ!」みたいな思い、
そんなにというか殆ど無かったし。
でも、元々始めた動機である福祉施設製品の持つ魅力と可能性にこだわって続けていくなかで
それらをますます面白いと思ったり、好きになったり、というようにこの世界の魅力にまんまと
取り込まれてしまい、又、思いの他であったり、思ってもいなかった可能性がチラリと見え
ちゃったり・・・
そうすると誰かに頼まれた訳じゃないのに自分がこの世界でもっとやれる事や、やりたい事
が次々と出てきちゃったモンで、何度も何度もへこたれながらもこの世界から足を抜けなく
なったっていうのが実感。
そう、関われば関わるほど・・・
そしてなんでそうなったかっていうと、ある程度深く関わらざるを得なかった結果でもあるの
かなと。
というのは、その他一般的な雑貨の流通の世界の様に、いいモン見つけたからって単に
メールなり電話なりで取引条件の折衝して注文して届くのを待って・・・というわけには
いかなかったからだと思います。
もちろん中にはもう既にしっかりとルール化している所もありましたよ、でも取引が楽だから
とか、利益率高そうだからっていう点だけでセレクトしているのではなくて、置きたいモノ
を置くという事をしていく中では多くの施設さんとは“取引のいろは”みたいな話から始まって
今では作るモノ自体に対するお話や提案もさせて頂いています。
また、背景のあるモノを扱っていくというコンセプトですから、その背景を店主であるワタシが
知らないとならない。というか知りたい。
そんな意味からも単なるモノの売り買いだけでなく関わるシーンが増えていった。
そして知った。
そんな事を繰り返していく中で足を抜けなくなってしまったわけです(笑)
彼らや彼らが作るモノとそんな関わり方をしていなければ、しないで済んでいれば
深くはまる事もなく、もしかしたらどこかの時点でとっとと店を畳んだかもしれない・・・
なんだかひねくれた言い方になってしまいましたが、この世界の面白さや素晴らしさや可能性
にハマったお蔭で続けていられる。
そうなんです、逆にそう思って、そういうつもりで関わらないと「あれ!?もっと傍目には
面白いと思ったけど思ってたより大変じゃん」ってなってしまうかもしれない。
そしてその後にはそれが「福祉の世界ってさぁ・・・」とか「障害者ってのはさぁ・・・」と
ネガティブな形で世間に拡げられるかもしれない。
そして関わった施設さん側でも「民間と組むなんて懲り懲り・・・」みたいな所がでてくるかも
しれない。
そうなるとこの世界でやっていくつもりのマジェルカにとっても良い事ない。
だからつい「こんな店私もやりたいんです」って方には開口一番「大変ですよ」なんて
ちょっと意地悪い言葉が口をついて出てしまう。
考えすぎかもしれないし、オマエが勝手にハードル上げんじゃねぇよ、余計なお世話(興味を
持っている人からも福祉業界からも)だよって言われるかもしれないとは思いつつ。
とはいえ関わり方次第ではこの世界でこういう仕事のやりがいや面白さ、意味の大きさ、それ
も人一倍知ってはいるつもりなんですが。
そしても一つ最後に生意気ですが、「障害者の為にやってあげたい」といって関わるのは
なんか違う気がしていて、私みたいなひねくれ者は、つい胡散臭いなどと思ってしまうん
ですよね。
確かに色んなモノを引っ張ってくる為には“障害者の為に・・・”ってアピールを強くしなきゃ
ならないのはわかるけど、本音ではいっそ「障害者の為にやってあげてる自分が好きです!」
って言ってくれた方がなんか信用できる。
最近、この仕事を始めるにあたって当時作った計画書を改めて見直す事があったり、なんだか
今日は天気も良くないのであんまり面白くもない話をしてしまいました・・・
さて口直し(?)
今日はマジェルカにまた新しいアイテムが入荷しました。
先日訪問してきた富山のjamさんから手織り布を使った変なストラップ。
宇宙人!?
上目づかいの顔がキモかわいい!
それから、雰囲気のいい手漉き紙を使って作ったメッセージカード17種
ワタシ個人的にははこの目がいっちゃってるネコちゃんと
たぶん恐竜だと思いますが何故あえて後ろ向き風のアングル!?
この2つがお気に入りです♪
jamさん、他にまたすんごい面白素敵なイラストを描く方がいて、頼まれてもいないのに
それを使ったグッズをjamさんに提案しようと勝手に画策している余計なお世話のワタシ
でした。