『傍(はた)を楽にする』はたらき
こんにちは。
オーナーではない方のFです。
いよいよ暮れもおしせまって、先週は2018年の流行語大賞が「そだねー」に決まりましたね。元々は北海道の方言で、地元の方は普通に使ってる言葉らしいですが、なんだか心がホッコリする優しい言葉だなーと思いました^^
流行語といえば近ごろ「働き方改革」なんて言葉をよく聞きます。
日本の企業労働、日本人のライフスタイル、日本の「働く」ということに対する考え方そのものに着手する改革とのことですが
そもそも日本の「はたらく」ってなんだろう、人はなぜ、働くのだろう、と。
私自身あまり深く考えた事がなかったのですが、調べていく中で「働く」の語源を知り、とても素敵だなと思ったので、ご紹介したいと思います^^
「働く」の語源は「傍(はた)を楽にする」だと言われています。
「はた」というのは他者のことですね。江戸時代では現代よりも助け合いの精神が濃密だったようで、向こう三軒両隣に声をかけ、母子家庭や父子家庭、あるいは老人の一人暮らしの中で困ったことが起きていないか、様子を見て回るのが皆のごく普通の日課でした。
午前中は自分の生活のために働いてお金を稼ぎ、午後は人のため、町のために『傍(はた)を楽にする』働き(今で言うボランティア)に精を出す。
よく働き、よく遊び、ストレスをためないのが江戸庶民の暮らし方で、人の評価は稼ぎの多い/少ないではなく、午後から行う『傍を楽にする』はたらきの多い/少ないで決まったそうです。
地位や財産ではなく、自分以外の人や世間のために働くことに人間の本質を見いだすような価値観。江戸の人はお上には頼らず、みんながうまく生きていくためににはどうしたらいいかを考え、お互いが気を遣い助け合って生きていた、共同体としての繋がりの深い社会だったそうです。
自分や家族のために『働く』ことがメインな現代と違って、江戸時代の『傍楽(はたらく)』の考えは他者のための意味合いが強く、だからこそお互いがそれぞれに「感謝」し合い、幸せを感じる大らかで豊かな社会だったように思われます。
マジェルカで働くようになって、休職もありましたが1年が経とうとしています。
以前読んだ美輪明宏さんの著書で『お給料はガマン料、はいあなたは今月これだけガマンしましたね、といただくのがお給料なのです』と書かれていました。
確かに働くということは楽なことではありません。
季節でも体調の波があり、気分がすぐれなかったり、身体がしんどくなることも多いのですが、そんな日々の中でもちょっとした事、たとえばお客様からの「ありがとう」のお言葉だったり、一緒に働いている方達の励ましの言葉だったり、自分の仕事の成果だったり…そんな何気ない場面で嬉しくなる事もあります。
私が思う『働く』理由とは、そんな周りの人に対して必要とされる人間でありたいという根源的な欲求であり、障がいを持っていても保護されるだけではなく、誰かのお役に立てることがあれば、それを実践したいからなのだと思います。
『傍(はた)を楽にする』はたらきが出来る自分でありたい。
とはいえ、まだまだ自分の事で精一杯で、江戸時代の人のように自分に余裕を持ちながら、他者に心を配ることが出来ない自分ですが、『働く』ということは、ただお金を稼ぐ手段ではないということ、そして私を助けてくれる周りの方々に対して「感謝」しながら、自らもそのお返しができるようになること。
そんな気持ちを忘れずに、日々精進してゆきたいと思います。