累犯障害者
KMです。
表題の言葉を私は知りませんでした。
山本譲司著(新潮社・2006年)の
『累犯障害者』というノンフィクション作品があります。
この本で私はいかに不勉強であったかを思い知らされました。
家族から見放され、福祉と繋がる事も出来ず、社会に居場所すらなく、
刑務所を終の住処にしようとする多くの知的障害者の方がいます。
そしてなんと全受刑者の2割〜3割は知的障害者の方らしいのです。
これ以上は私の言葉で誤解を招きたくないので目次を紹介させてください。
序章 安住の地は刑務所だった 下関駅放火事件
第一章 レッサーパンダ帽の男 浅草・女子短大生刺殺事件
第二章 障害者を食い物にする人々 宇都宮・誤認逮捕事件
第三章 生きがいはセックス 売春する知的障害女性たち
第四章 ある知的障害女性の青春 障害者を利用する偽装結婚の実態
第五章 多重人格という檻 性的虐待が生む情緒障害者たち
第六章 閉鎖社会の犯罪 浜松・ろうあ者不倫殺人事件
第七章 ろうあ者暴力団 「仲間」を狙いうちする障害者たち
終章 行き着く先はどこに 福祉・刑務所・裁判所の問題点
こういった内容で非常に衝撃的だった為に半日くらいで一気に読んだのですが
途中で何度も溜息が出ました。
様々に自問自答してしまいますが現実を知るという事が0から1への大きな一歩、
と自分自身に言い聞かせるしかありません。
でも終章には前向きになれる事も沢山書かれていますので。
是非。
追記
出所者をどこが受け入れたかを調べた出所者帰住先が矯正統計年報というものに
掲載されています。
2004年版をもとに社会福祉施設での受入人数の少なさを筆者は指摘されていました。
しかし10年以上前の話になってしまいます。
現在はどうなっているのか気になったので少しだけ調べてみました。
法務省が出しているものなのですが私でも簡単に調べる事が出来ました。
受刑者の知的障害者の割合は最新版である2017年でも大きな違いはありませんでした。
しかし、出所後の社会福祉施設の受入人数は下記の通り増加していました。
『出所者の帰住先』
2004年
出所者総数 29,553 名
社会福祉施設受入人数 24 名
2017年
出所者総数 22,025 名
社会福祉施設受入人数 541 名