『マジェルカでの一年を振り返る』

 こんにちは。

オーナーではない方のFです。

 

今年もあとわずか。一年って本当にあっという間です。

今年のブログ担当も今日で最後となるので、この一年を振り返ってみたいと思います^^

 

 

ちょうど昨年の今ごろ、2週間の体験を終えマジェルカで正式に働くことが決まりました。

マジェルカは『就労継続支援A型事業所』という事業形態をとっていて、障がいや難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービスです。

障がいや病気に理解のある職場スタッフがサポートしてくれるので、障がいをオープンにして働くことができます。

 

 

私はそれまで自分の障がいを知っているのは身内のみで、それ以外の周りの人たちには自分の障がいを伏せて生活してきました。

それはやはり傍からの目が気になっていたからであり、前の職場でもそれを隠して働いていたものの、仕事のスピードや効率面、また上司や同僚とのコミュニケーションの部分で健常の人のようには上手くいかず、働く気持ちがあっても長く続けることができませんでした。

 

そんな中、ネットで『マジェルカ』を見つけ、何よりも魅力を感じたのは、障がいがあることを前提に就労計画が立てられていること、それと私が過去に服飾デザインを志していたこともあり、間接的ではありますが「ものつくり」の空気に触れられることができると思ったからです。

 

 

 

ここならば…と、私は思い切って飛び込んでみることにしました。

そして実際に働いてみると…

 

マジェルカで働くということは、自分の想像以上に大変でした。

仕事内容の幅も広く、在庫管理や発注、ネットショッピング用のサイトに関する業務など…漠然と「接客をすれば良いんだろうな」と甘く考えていた私は、その覚えることも多さと早さに、ついていくのがやっとの状態でした。

 

そして雇ってる側も、各メンバーがどのくらいのスキルやポテンシャルを持っているのかを探りながら、少しずついろいろな業務を課していくのですが、コミュニケーションを上手にとれない私は、どこまでが出来て、どこからが出来ないということを上手く伝えることができず、やがて課せられた仕事がキャパシティーを超えてしまい、そのプレッシャーに押し潰され、7月に入るとお店に行くことができなくなってしまいました。

 

 

憔悴しながら

『また続けられなかった…』と落ち込む日々。

 

 

これまでの職場なら「はい、お疲れさま」とそのままクビになっていたのですが、マジェルカが他と違ったのは、私がそういう状態になった時も親身になって相談に乗ってくれ、復帰を待ち続けてくれたことでした。

 

 

体調がすぐれず、お店に出向くこともできなくなった私の代わりに夫が面談に行き、オーナーに現在の状況などを説明した際、オーナーは

 

「うちの仕事がイヤになったとかでなければ、体調が回復するまで待ってますよ」

「まずは今月いっぱい休職して、これからどうするかゆっくり考えたら如何でしょう」

 

と言ってくれ、もともとの条件だった週5日の勤務を減らすことも快諾してくれたそうです。

いくらでも替えのきくパート、ましてやそこまでお店に貢献できていなかった自分に対して、譲歩し席を空けて待ってくれてることを聞き、私は感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

でも感謝の気持ちとは裏腹に仕事への不安から休職はさらに伸び、結局体調が戻るまで約2カ月かかってしまいました。

待ってるとは言ってくれたけど、これだけ長期間休んで、さすがに戻るのはもう無理だろう。

けじめとして、最後は直接ご挨拶とお礼を……と恐る恐るお店に行くと、笑顔で

 

 

「久しぶり!調子はどう?」と明るく声をかけて下さり

「Fさんさえ良ければ、またやってみる気…ある?」

 

と、再度チャンスをいただけた時は、驚きましたし、本当に有り難いことだと感じました。

 

 

暖かく迎えてくれたオーナーに少しでも恩返しができるように…と復帰し、そして現在にいたるのですが、仕事ぶりは相変わらずアタフタしながら四苦八苦の毎日です。

 

マジェルカではショップだけではなく、美術館や百貨店、病院といったほかの場所での出店や、商品を作る作業所の見学など、他の職場では経験できないようなことも沢山させてもらいました。

その度に自分が扱ってる商品がどんな過程を経てお店に来て、どんな人が購入されていくのかを実感でき、仕事に対する意識も変わってきました。

 

 

今でも自分にできる事、できない事のギャップに葛藤したり落ち込むこともあります。でも休職した時と今と違うのはそんな出来ない自分も認めてあげること。そして認めた上で、どうすれば少しでも進歩できるか試行錯誤しながら日々を過ごしています。

 

 

ただお金を稼ぐためではなく、苦労をしながら自分を磨き、周りの人のお役に立てるように。

 

 

障がいを抱えながら働くことは大変です。

でも、マジェルカで働くことは、大変さの中にも楽しさや意義を感じられます。

来年はその楽しさをもっと増やすことができれば良いな、と考えてます。

 

 

さてマジェルカでは『クリスマスフェア』も終わり来年のイベントに向けて既に準備を進めています。どんなフェアになるか、近々告知があると思いますが、どうぞお楽しみに^^

 

それでは皆さん、良いお年をお迎えください!

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オーナーの方のFです。。。

 

辛くて思い出したくないことでもあったろうにFさん、赤裸々に書いてくれました。

ありがとうございます。

嬉しく、そして感動しました。

 

ご自分でも書いている通りコミュニケーションが上手に取れない分、というか、だからこそなのかもしれませんが、下手な嘘を言ったり不必要に言葉を飾る事は出来ない方だと感じています。

 

だからこそこんな風に感じた事を書いてくれたものを読んで素直に嬉しく思いました。

 

でも・・・

 

彼女の振り返りを読む事は自ずと私にとっても振り返る機会になるわけで、そこで、はたしてマジェルカはそんなに素敵な場所だったのか、そもそも私は恩返しされるような、そこまで感謝されるような関わり方をしてきたのか、とも。

 

“どこまでが出来て、どこからが出来ないということを上手く伝えることができず・・・お店に行くことができなくなってしまいました。”

と彼女はいいます。

でもそれは翻って私を中心に彼女を取り巻く私たちが

彼女がどこまでが出来て、どこからが出来ないということを上手く見定めることができなかった・・・

とも言えるのです。

 

“再度チャンスをいただけた時は、驚きましたし、本当に有り難いことだと・・・”

と彼女はいいます。

でもそれは、彼女が「私にはマジェルカではない」と感じていないのであれば、ウチに関わった事で彼女を潰してしまったという結果を受け入れたくないが故の、私たちにとっても挽回するチャンスが欲しかったともいえるのです。

 

わざわざこんな話するのも、なぜなら怖くなるのですよね。

理想的な場所で、理想的な支援をしている支援者だなどと思われるのは。

一方的に感謝されて、あたかも自分が凄い事、良い事やってると勘違いしてしまうのが。

 

 

 

 

 

さて、決して饒舌ではないけれど心のこもった優しいFさんの接客は、マジェルカに並ぶ商品たちをお客様に伝える媒介役としてはとてもしっくりときているのだと感じます。

ぜひ彼女に会いにマジェルカに遊びに来てください。

 

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