読書の秋にいかがですか?
めっきり寒くなり、冬の気配さえ感じるようになりましたね~。
今日はイトウより、読書の秋に是非読んでいただきたい本を2冊ご紹介します☕
1冊目は「マイノリティデザイン」。
著者の澤田智洋さんはもともと広告業界にてコピーライターや広告クリエイターとして活躍され、息子さんに視覚障害があったことをきっかけに福祉の世界に飛び込んだ方。
「弱さ」という逆風そのものを、追い風に変えたい。そしていつか、「弱さを生かせる社会」を息子に残したい。――そう考えた澤田さんは、マイノリティを起点に、世界をより良い場所にする「マイノリティデザイン」を新たな人生のコンセプトにされます。
40代も後半に入った私イトウ。年齢を重ねるなかで、そしてマジェルカで働くようになってうっすら感じてきて来たことを「ズバッ」と表現され、たくさんの箇所で頷いてしまう本でした。
例えば、
障害者と出会うことは「Unlearn」―学びなおしの機会そのもの。
人はみな、なにかの弱者・マイノリティ。(幼少期から運動音痴だったご自身を「スポーツ弱者」だと表現。)
「弱さ」のなかにこそ多様性がある。
そして澤田さんはこう説きます。
全ての「弱さ」は社会の「伸びしろ」。
あなたの持つマイノリティ性=「苦手」や「できないこと」や「コンプレックス」や「障害」は克服しなければならないものではなく、生かせるもの。
あらら・・・これは、「障害あるなしに関わらず、多様なヒトがあたり前の様に混ざりあい、互いに関わりあえる社会こそ、豊かで健康的な社会になる」というマジェルカの理念ともぴったり重なる考え方!
そしてマジェルカの商品がなぜ人の心を掴むのか、ということ考えても、これは一つの真実なんだろうなと。
***
そして2冊目は、「まともがゆれる」。
著者は、先日NHKのハートネットTVにもご出演されたスウィング理事長の木ノ戸昌幸さん。そのパワフルな試みを日本中のファンが追いかける“障害者福祉のイノベーター”です!
小学生のころから、大人たちが暗黙のうちに求める「こうあるべきまともな姿」に自分自身の限度を超えて過剰に適応し、学校に行くことや人と接することが怖くて怖くてたまらならないという、長い日々を送ったという木ノ戸さん。――「まとも」や「常識」や「普通」。そして「べき」や「ねば」に疑問を投げかけます。
なんて真面目で心の深い方なんだろう!
「戦隊レンジャー」に扮して街のゴミ清掃をしてしまったりする、一見ヒッピーでロックな木ノ戸さん。本を読み、その柔らかな内面とのギャップに、正直びっくりしたイトウでした・・・。
そして、そうした“普遍的な疑問”に対する答えが、スウィングの愉快な仲間達との日常から浮かび上がってきます。
例えば、休日「ただぼ~っとしている」ミサさんや、昼休みに「ただ足をブラブラさせている」かなえさんの、きれいさっぱり無駄しかない時間の使い方に。「どうでもいいようなこと」を人の迷惑も顧みずに平気で相談するQさんの行動に。
力をいれるほうじゃなくって脱力こそが、人それぞれの在りようをいい感じにする。
人は迷惑をかけずに生きていくことはできず、お互い様で生きていくもの。
そして、木ノ戸さんはこんなメッセージを投げかけます。
この世の中を生きてゆくにはもちろん「強さ」も必要だ。だが、その裏側には必ず「弱さ」がある。誰にだって、多かれ少なかれ、そして様々に。そのことに目を向けず、ひたすら強さばかりを求める社会を僕は憎む。
勉強が、仕事が、要領よく出来なければ落伍者なのだろうか?恋愛が、人付き合いが、うまくできないと負け組なのだろうか?毎日は、人生は、楽しまなければ意味がないのだろうか?いい大人が「助けて」と、「もうダメだ」と両手を上げ、子供の様になきわめいてはいけないのだろうか?(中略)
弱さ。それはほとんど強さと同義である。
*****
―――共通するのは、「弱さ」の「強さ」。
深く、深く考えさせられる2冊の本でした。
寒い日が続きますが、読み終わったらきっと、心がじんわり温まりますよ~。
良かったらぜひ、手に取ってみてくださいね☺ イトウ
(夏の京都にて、スウィングの仲間たちと)